夜暗くなると眠くなり、朝になると目が覚める。毎日だいたい同じ時間にお腹が空くなど、このように決まった周期で体の働きを変動させる生体リズムが体には備わっています。
生体リズムには秒単位で刻まれる心拍や呼吸から、年単位まで様々な種類があります。中でも特に健康に関わっているのが地球の自転に伴って約24時間周期で刻まれるサーカディアンリズム(概日リズム)で、一般的には体内時計といわれています。
この体内時計には2つの種類があります。
●親時計
脳の視床下部視交叉上核にある時計。外部からの刺激(朝日など)を受けてリズムを調節。そのリズムは神経やホルモンなどの伝達系を介して複数の子時計に伝わる。
●子時計
心臓・血管・肝臓・腎臓・皮膚・粘膜などほとんどの末梢組織に存在する時計。数十兆あるといわれる人間の細胞のうち、親時計の指揮に合わせて時を刻む働きと、それぞれに独立して時を刻み、代謝などを促進する働きの2つをもっている。
親時計と子時計は自律神経やホルモンを介して連動し、日中の活動や夜間の睡眠、体温などの生体リズムを調整しています。
〇体内時計を乱す原因
体内時計は数億年前に地球上に誕生した生物が一番最初に獲得した、生きるために必要な体の仕組みと考えられているようです。植物は太陽が昇る時間にあわせて効率よく光合成を行うため、小動物や昆虫は外敵の少ない夜間に行動して身を守るために太陽光を利用した体内時計を持っています。
その結果、活動開始の時間帯に光を浴びると体内時計の針は前に進み、休息開始の時間帯に光を浴びると後退するという仕組みができあがりました。このため、朝起きてしっかりと光を浴びると体内時計は24時間にリセットされます。反対に夜にスマートフォンやパソコンなどのブルーライトに代表される強い光を浴びると26時間周期にズレてしまうなど生体リズムが乱れる要因となるのです。
〇生体リズムを整えるポイント
・起床時間を一定にする
・朝起きたらカーテンを開け、日差しを十分に浴びる
・朝食は起床後1時間以内にとる
・朝食は糖質をとる