貧血は圧倒的に女性に多いですが、近年は筋トレブームの影響などで筋肉に負荷がかかると慢性的に鉄分不足になるため、男性にも増えてきているといわれています。
下記の項目に当てはまる症状がないかチェックしてみましょう。
・睡眠をとっても疲れやだるさ、頭の重さがとれない
・階段や坂を登るときに息が切れる
・顔色が悪いといわれる
・爪が弱くなり、割れたりへこんだりしている
以上の項目に2つ以上該当する場合は貧血の可能性が高いです。
〇鉄分が不足することで体内が酸欠状態に
貧血とは血液中の赤血球が減少し、赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度が基準値未満の状態をいいます。ヘモグロビンは肺で酸素を受け取って全身に運び、また代謝で生み出された二酸化炭素を肺まで運ぶという重要な役割を担っています。
このヘモグロビンを生成するのに不可欠な材料が鉄分です。鉄分が不足するとヘモグロビンの生成も減少し、体内に十分な酸素が行き渡らなくなってしまうのです。体内が酸欠状態になるとチェック項目であげたような疲れやだるさ、息切れなどの症状が現れます。
〇鉄分不足が起こる原因
摂取される鉄分と消費される鉄分の収支バランスがきちんととれないと起こります。
体内に摂取される鉄分が不足する主な理由として
・過度なダイエットをしている
・インスタント食品やファストフードなどを食べることが多く、偏食になりがち
・加齢によって消化器系の働きが衰え、栄養が十分に吸収できなくなっている
一方体内の鉄分は主に以下のような体の働きによって減少します。
・汗や尿、便とともに鉄分も排出される
・月経のある女性は月1回の出血によって摂取した量を上回る鉄分が排出される
・妊娠時や授乳時は胎児や乳児に優先的に鉄分が運ばれる
・激しい運動などで筋肉量が増加するとき、筋肉を動かすための酸素やエネルギーが必要とされ酸素を運ぶ赤血球の材料となる鉄分の必要量も増す
〇貧血を防ぐ食事
まずは鉄分の多い食品を積極的に摂ることです。
レバーをはじめとして肉類や魚貝類、大豆、緑黄色野菜、海藻など様々な食品に含まれています。肉類や魚貝類に含まれているのがヘム鉄、大豆や緑黄色野菜、海藻に含まれているのが非ヘム鉄と、鉄分には2つの種類があります。ヘム鉄の方が吸収率が高く、体内に効率よく摂り入れることができますが、非ヘム鉄にも動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が上がるものがあります。
また、鉄分以外にもビタミンB12や葉酸を含む食品も摂りましょう。ビタミンB12は肉類や魚介類などの動物性食品に、葉酸は緑黄色野菜に多く含まれており、ヘモグロビンの生成を助け造血を促す効果があります。
食事だけではどうしても十分に補うことができない場合は、サプリやドリンクなどの栄養補助食品を適宜摂り入れてみましょう。