胸郭は左右12対の肋骨と脊椎の中の胸椎といわれる12個の椎骨、そして前方にある頬骨によって構成される胸部の外郭のことです。
〇胸郭の働き
・呼吸
肺は自分で広がったり縮んだりすることができないため、横隔膜や胸郭が柔軟に拡張したりしぼんだりすることによって肺の中の空気を出し入れを行っています。そのため胸郭が柔軟な人ほど高い強度の運動を行って換気を上げたいと思ったときのキャパシティーが大きいということになります。
・腰部や頸椎の運動に関わる
腰を反らしてできるだけ体を後ろに倒してみた時に、硬さや背中のつまり感を感じる方は胸椎が硬くなっている可能性があります。この胸椎の部分は硬くなりやすく、猫背のように丸々方向ではなく、後ろに反らす伸展の動きが特に硬くなりやすいです。
背骨は上から頸椎、胸椎、腰椎とありますが、上から下まで一連で体を丸める・体を反らす・ひねるの動きができます。そのため、真ん中にある胸椎が硬くなって動かなくなると腰椎や頸椎を代償的に余分に動かして動作をしていく必要がでてきてしまうのです。
過剰な動きを要求された関節は不安定になったり痛みを生じたりします。
・バランス能力に関わる
片足立ちなどをした際バランスを大きく崩した時に上半身をよじったり手を大きく動かしてなんとかバランスを保とうとするように、人間はバランス保持のコントロールを下半身よりも主に上半身で行っています。
胸郭を柔らかく柔軟に動かすことができればバランス保持能力が飛躍的に高まります。
・肩甲骨の動きに関わる
腕を上げたり下ろしたりなど肩関節の様々な動きに対して肩甲骨が大きく動きます。肩甲骨は胸郭に密着しているため、胸郭の動きが悪ければそのまま肩甲骨の動きも悪くなります。
肩甲骨の動きが悪いと腕を動かした時に正常に比べ肩関節に大きな負荷がかかります。日々それが繰り返していることで肩関節周囲を痛めたり、可動域が制限されてしまう原因につながります。
・姿勢に関わる
目が前についていて、手が体の前で作業をしやすいという人間の体の構造上どうしても前かがみで作業することが多くなります。背中の丸まった姿勢で胸郭の前側は常に縮こまって固まり、反対に後ろ側は伸ばされてあまり使わない背筋は弱化してしまうため姿勢不良の原因となります。
胸郭の硬さが気になる方はぜひ当院にお任せください。